今がおすすめ!リニアPCMレコーダー TASCAM DR-100MKIIのコストパフォーマンス
2011年11月に発売開始されたTASCAM DR-100MKII。
2016年7月には後継機のDR-100MKIIIも発売されて生産終了になり、すっかり型落ちになっていますが、業務機だけあってノイズが少なく楽器、環境音、会議だけではなくマンションの騒音なども良好に録音でき、性能もしっかりしています。
それどころか、かつてのハイエンドモデルでフラグシップ機なので後継機のDR-100MKIIIと性能や機能を比較しても大して遜色がないのに型落ちしたことによって価格が下がりコストパフォーマンス(コスパ)が極端によくなりました。
今回はそんな TASCAM DR-100MKII をレビューしながらお伝えしていきますね~
コストパフォーマンス
DR-100MKIIは発売当初からフラグシップ機だったので、憧れの機能が盛りだくさんで高嶺の花でした。
ところが最近は後継機のDR-100MKIIIがTASCAM製品を扱うティアックストアでも在庫限りとなり市場でも高騰している一方で、DR-100MKIIはほぼ使われていない固体が官庁からのリース(レンタル)上がりで市場に流れていて、ヤフオクやフリマアプリでも1万円前後で手に入るようになっています。
TASCAM DR-100MKIIのよいところ
電源が4系統
なんと、電源が4系統もあって1日中録音しても安心なつくりになっています。
- 脱着可能なバッテリー給電での駆動
- 単三電池での駆動(ニッケル水素充電池やアルカリ乾電池)
- USB給電での駆動
- DCアダプター給電での駆動
※DR-100MKIIIはここが改悪されて、バッテリーは内蔵バッテリーになってしまい交換不能に、DCアダプターは廃止されてしまいました。
マイク
内部マイク
内部マイクが2系統付いています。
1系統は指向性マイク、もう1系統は無指向性マイクなので、特定の音にクローズアップして録音したいときと、会議などを録音したいときに使い分けることが外部マイクを使わなくてもできるように作られています。
外部マイク
ステレオミニプラグのマイクとXRLコネクター(キャノンコネクター)のマイクが使用できて、ステレオミニプラグのマイクはプラグインパワー対応、XRLコネクター(キャノンコネクター)のマイクはファンタム+48V対応なので民生のマイクから業務用のマイクまで使用可能になっています。
ノイズ
内部マイクを使用してもサーっというノイズが十分低いレベル(ノイズフロアが低い)なので全く気になりません。
切り替えスイッチ
マイクの切り替えスイッチは、液晶のすぐ右下にスイッチがあって直感的に切り替えられるように考えられています。
※DR-100MKIIIはここがなくなって液晶表示の中で設定するようになってしまい、いちいちメニューから設定する用になったので操作が煩雑になってしまいました。
スイッチの意味は、
- XLR : XLRプラグにマイクやLINEから録音する場合に選択します。
- UNI : 内蔵の指向性マイクから録音する場合に選択します。
- OMNI : 内蔵の無指向性マイクから録音する場合に選択します。
- LINE2 : 左側面のLINE INから録音する場合に選択します。
となっています。
録音
録音モードは2つあって、
- STDモード
MP3形式の32Kbps~320KbpsとWAV形式の44.1KHz/48KHz、16bit/24bitで録音出来るモード - HSモード
WAV形式の44.1KHz/48KHz/96KHz、16bit/24bitで録音できるモード
があります。
※DR-100MKIIIのように196KHzの録音は出来ませんが、高いサンプリングレートで録音するよりも高級な外部マイクを使用したほうがはるかに雑音も少なく、、低音、中音、高音のバランスもよく録音されるので、最近のコストパフォーマンス(コスパ)で96KHz 24bitがあれば十分な性能を持っています。
リモコン
リモコンは、赤外線(無線)とワイヤード(有線)のリモコンが使用できます。
屋内で録音する場合は赤外線(無線)のリモコンで使用して、屋外などで風切り音防止のモフモフ(ウインドジャマー)をつけた場合は赤外線の受光部が隠れてしまうので、ワイヤード(有線)のリモコンを使用するといった使い分けが出来ます。
TASCAM DR-100MKIIの欠点
192KHz のサンプリングレートでの録音機能がない
TASCAM DR-100MKIIのハイレゾ録音は、48KHz 24bit、96KHz 16bit/24bit で録音できますが、196KHz 16bit/24bitの録音が出来ません。
いまのところ映画撮影や放送局も48KHz 24bit をよく使っています。なぜかというと、196KHz 16bit/24bitの録音はファイルサイズも大きく、互換性の問題など編集のときにも何かと不便なので48KHz 24bitを使用しているとのことでした。
実際は、業務用のマイクで録音すると十分よい音で録音されるので、196KHz 16bit/24bitまでは必要ないそうです。
ストラップをつける場所がない
後継機のDR-100MKIIIには左下にストラップの紐をつけるところが増設されていますが、DR-100MKIIにはまだ付いていないので、手持ちの時には落下させないよう注意が必要です。
フォノプラグをXLRプラグかステレオミニプラグに変換しないと外部から入力できない
DR-100MKIIは入力端子にXLRプラグとフォノプラグが共用で使用できるようにはなってなくて、XLRプラグとステレオミニプラグからの入力しかないのでフォノプラグを使用するときは変換ケーブルを作成するか購入する必要があります。
ダブル録音ができない
後継機のDR-100MKIIIは録音と同時に-12dbでもう1系統録音して、ピークが割れてしまう場合は挿げ替えて割れないように補正することが可能ですが、DR-100MKIIにはダブル録音機能がないので、マニュアル設定時には音が割れないように適切に録音レベルを設定する必要があります。
まとめ
コストパフォーマンス(コスパ)
かつてのハイエンドモデルでフラグシップ機のTASCAM DR-100MKIIがほぼ新品の状態でも最高のコスパで手に入るようになって来ました。
TASCAM DR-100MKIIのよいところ
- 電源が4系統から取れるので長時間使用時も安心して使用できる
- マイク入力はステレオプラグインのステレオミニプラグとXLRコネクターのマイク(電池駆動とファントム48V)のものが接続できるのでとても便利
- ノイズレベル(ノイズフロア)が低いので、サーっといったノイズ(ホワイトノイズ)を気にすることなく録音できる
- 切り替えスイッチが分かりやすいので、直感的に切り替えられるのでとても便利
- 録音はMP3形式の32Kbps~320KbpsとWAV形式の44.1KHz/48KHz/96KHz、16bit/24bitで録音可能になっている
- リモコンは赤外線を使用したワイヤレスと有線を使用したワイヤードのどちらでも使えるのでとても便利
TASCAM DR-100MKIIの欠点
- 192KHz のサンプリングレートでの録音機能がなく、上限が96KHz 16bit/24bitになっている
- ストラップをつける場所がないので、手持ち時は落下に注意する必要がある
- フォノプラグをXLRプラグかステレオミニプラグに変換しないと外部から入力できないので変換ケーブルを自作するか別途購入する必要がある
- 録音を始めたときに、もう1系統-12dbで録音するダブル録音機能がないので、マニュアル設定時には音が割れないように適切に録音レベルを設定する必要がある
かつてカセットデンスケというポータブルの高性能なカセットコーダーが生ロクブームを巻き起こし、今で言う撮り鉄のように群がって蒸気機関車の音を録音するブームがありましたが、そのカセットデンスケの最終モデルのTC-D5MよりもDR-100MKIIのほうが性能が上なので、ただボイスレコーダー代わりだともったいない側面もあります。
デンスケ代わりに使用するのなら申し分のない高性能に仕上がっています。